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2本目の洋ナシ

庭しごと
12 /07 2023
ボルドー・メトロポールが住民に無料で苗木を配布するイベントL'Arbre en fête。初回の2年前に3本の苗木を貰ってきたけど、去年はやっているのに気が付かなかった(-_-;)。で、今年のプログラムを見たら、一家に1本になった代わりに全部果樹!2年前はわざわざル・ブスカまで行ったけど、ボルドー中心なら歩いて行ける。
いやね、2年前に貰った3本のうち、サント・リュシーの桜が枯れてしまったのですよ。1年目は元気だったのに、去年葉っぱと言う葉っぱにアブラムシがびっしりついて。

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在りし日の姿

で、ボルドーで配られるのはフランボワーズとか、カシスとかの低木系だろうな、フランボワーズだったらもうあるからいらないと言えばいいや、と配布場所のぺ・ベルラン広場へ向かいました。スタンドに近づいていくと、何やらでっかい木が!2年前に貰ったのは、どれも50センチぐらいで根っこが裸だったので、ビニール袋に入れてそのままスーパーに行こうと思っていたのに、あんなの持って帰れるのか?ぺ・ベルラン広場ですから、みんな徒歩かチャリで来ているというのに。
ここは市役所の前だからか(笑)、真面目に住所チェックもされました。ちらっとリストを見ると、貰いに来ていたのはボルドー中心部の住民ではなく、この辺で働いてる人っぽかった。まあ庭ないと植えられないからね。で、午前中だったにもかかわらず、残りは洋ナシ1本と、リンゴの木だけ。リンゴは小さい品種で背も低く、うちにないからどうしようか迷ったんですが、リンゴあんまり好きじゃないのでやっぱり洋ナシ!2メートル以上もあって根っこの部分がたいそう重く、台車持ってくるから置いといてって言えば良かった…、と帰る道々思いました。

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やっと着いた!ドアがそのままでは通れない高さ。

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ちなみに、これが2年前に植えた洋ナシ。まだ膝ぐらい。

しかもね、これは原種で、そのままではおいしい実がならないんですよ。成長が遅いので、来年も花が咲くかどうか。それに引き換え、今年貰ったのはちゃんと接ぎ木もしてあって、ウィリアムスと品種名の札も付いた、ちゃんとした売り物。1本しかくれないなんて予算削減かと思ったら、ずいぶんグレードアップしてるじゃないですか。

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午後から週末にかけてずっと雨の予報なので、頑張って植え付けました。

近くに背の高い木はないし、これ自体が大きいので、ちゃんと日も当たっていいんじゃないかな。2年ぐらいは待たないとだめだよ、と言われたけど、今度は無事に育ちますように。

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ペサックのシャトー巡り 2023

ワイン
12 /03 2023
今年最後のシャトー訪問は、恒例のペサック・レオニヤンのポルト・ウヴェルト。今年はどこに行こうかな、とパンフレットを眺めていて、いくつか知らないシャトーがあり、場所の近い3つを纏めて行ってみることにしました。
ぺサックは何と言ってもボルドー市内からの近さが魅力。最初のシャトーは隣接するヴィルヌーヴ・ドルノンにあり、うちから20分で着いてしまう。住所を見ると、いつも通っている幹線道路沿い。GPSが後1分と出ても、アパートや住宅が連なっていて、こんなとこにほんとにシャトーが?と驚きの場所。



あ、Château Trigantの看板が出てる。その道端の公園みたいな入口を入っていくと、結構広い敷地が広がっていて、ちゃんとシャトーがありました。こんな住所だから、事務所だけがあるのかと思った(笑)
聞いたことないと思ったら、1年半ぐらい前にシャトーを相続した若い人がやっていて、建物も大工事中。アクセスが良いので、宿泊や結婚式などのレセプションとしても使えるようにする計画だそうです。肝心のワインもまだ改良の余地あり、って感じだったので、また数年後に来てみたらいいかな。ちなみにメトロポール内なので、バスでも来れます(バス停目の前)。

続いては同じ道を南下して、右に行くとシャトー・クアンスの表示が出ているところを過ぎ、カドジャックに入ってChâteau Bardinsへ。

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おおー、立派なお城。

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ヒツジさんたちもいる。

と、いきなり牧歌的な風景が広がっているのですが、ヒツジさんたちの向こうから轟々と車の走る音が。このシャトー、ボルドーから南に向かう県道と高速に挟まれた場所にあるのですね。私たちが通ってきた県道はそれほどでもないけど、高速を走る車の騒音はすごい。
さて、食べ物やアートなどが賑やかに売られている中を通り抜けて試飲へ。シャトー・バルダンの赤のみ、ミレジムは3種類。2020の果実味たっぷりな味わい、2019のタンニンのしっかりした力強さ、どちらも甲乙つけがたく両方お買い上げ~。

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Ch. Bardins 2019, 2020(20,50€)

試飲には2013だったかも出ていたんですが、予想通り軽いというか、薄い。もう飲み頃は過ぎてしまっている感じ(-_-;)

さて、次もカドジャック。今回4つしか開いていないクラッセ組の一つ、Château Bouscautに久しぶりに来ました!

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前に来たのはボルドーに戻ってきてまだ1年余りの2010年。なんか新鮮だったなー、何もかも(笑)
今回はさすがにたくさんの人が来てました。

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デギュスタシオン(試飲)はこちら。

こんな恐竜?の看板あったかな?

さて、試飲はセカンドとシャトーの赤白それぞれ1種類ずつ。まず白のセカンド2020、次にシャトーの2019。前に来た時も思ったけど、やっぱりセカンドの方が好きなのよ。ここの場合。シャトーの方が甘みが強い感じで、セカンドの方がさっぱりしている。赤はセカンドが2018、シャトーは2016。で、赤もやっぱりセカンドの方が好きだった。

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Les Chênes de Bouscaut rouge 2018(18€) blanc 2020(19€)

好きな方が安いって、なんか嬉しい(笑)

最後はスミス・オー・ラフィット(今年もやっぱり開いていない)の横を通り過ぎて、シャトーの集中しているマルティヤックへ。ここにも新顔Château Carrosse Martillacが。予想通り真新しい建物ですが、お客さんはたくさん来ています。今年が2年目の参加ということでした。ワインは赤のみ、セカンドとシャトーの3ミレジムが出ていて、セカンドは2020と2018、シャトーは3つとも試飲。セカンドの2018は私の苦手なタイプだったけど、それ以外はどれもおいしかった。決めかねて迷っていたら、オーナーさんが出てきて見学する?グラス持って行っていいよ!なんだったらもっと注いでもらって!とか豪快に言われたので、それじゃあ、とシェを見に行きました。写真を撮り忘れたけど、シェの建物がぱっと見は何の特徴もない倉庫なのに、見る角度によって色の変わる不思議な壁でできていて斬新でした。

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L'Equipage du Carrosse Martillac 2020(20€)
Ch. Carrosse Martillac 2020(30€)

結局2020を1本ずつにしました。

今年はあまり行かない地区の新顔3つにめちゃくちゃ久しぶりのブスコーと、新鮮味のあるぺサック・レオニヤンで楽しかった。やっぱりたまには変えないとね(笑)

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Et la fête continue!

映画
12 /01 2023
ロベール・ゲディギアン監督の新作。

etlafete.jpg 「ET LA FÊTE CONTINUE!」
Sortie le : 15 novembre 2023
De : Robert Guédiguian
Avec : Ariane Ascaride, Jean-Pierre Darroussin, Lola Naymark ...
あらすじ 定年間際のロザは看護師として働く傍ら、次の市長選に左派を纏めようと奮闘している。そんな中息子のサーキスがフィアンセとして家族にアリスを紹介し、アリスの父アンリとの出会いからロザの人生も変わっていく…。

医師からマルセイユ初の女性市長になったミシェル・リュビロラ(5カ月後に退職・現在は第一補佐)をモデルにロザの役が作られたそうですが、もちろん演じるのはアリアーヌ・アスカリッド。いつも通りジャン=ピエール・ダルサンとジェラール・メランの2人も登場。監督とこの3人、学生時代からの仲間で、みんな70歳前後なんですが、メランは前からかなり老けて見えてて、今回も大丈夫かな?って感じ。ダルサンは今まで結構しゃきっとしてたけど、今回はわー老けたなー!と思いました(-_-;)
そこいくと、アリアーヌはあんまり変わらないのよね。元々若く見えるタイプでもなかったから、10年ぐらい前からそのまま変わってない感じ。息子役のロバンソン・ステヴナンだって、若手だと思っていたけどもう40過ぎで若々しくはないしね…。
お話はもちろん、マルセイユが舞台ですが冒頭にも書いた通り、女性市長(リュビロラはエコロジストですが)の誕生、市内中心部の建物倒壊事件、といったマルセイユのみならず、全国的に話題になった実在のトピックを取り上げての内容。そこにアルメニア系という監督自身の話も織り込んでいます。ただ、フランス生まれのフランス人である息子たちが、僕たちアルメニア人は…、とか言うセリフには違和感が。

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Le Petit Blond de la Casbah

映画
11 /26 2023
アルジェリア生まれの監督、アレクサンドル・アルカディの子供時代を描く自伝映画。

petitblond.jpg 「LE PETIT BLOND DE LA CASBAH」
Sortie le : 15 novembre 2023
De : Alexandre Arcady
Avec : Léo Campion, Marie Gillain, Christian Berkel ...
あらすじ 著名な映画監督のアントワーヌは、息子を伴って生まれ故郷のアルジェへやってくる。彼の新作は60年代のアルジェリアを舞台に自身の子供時代を描いた自伝的内容になっていた…。

映画の中で大人になったアントワーヌがアルジェに持ってくる映画のタイトルも「Le Petit blond...」で、子供時代のフラッシュバックがそのまんま劇中映画と言うつくり。アルジェリア戦争当時のことを私はよく知らなかったけど、チュニジアやモロッコに比べて、アルジェリアとの関係が今もこじれているのはフランスがアフリカ入植の拠点でもあったアルジェリアをなかなか諦めなかったからなんですね。フランスからの入植者であるピエ・ノワール、現地人の中で特別扱いを受けていたユダヤ人、そして駐留軍がフランス側、それに対して独立を主張するアラブ人、ベルベル人などの現地人。
監督は、ハンガリー人のお父さんが外人部隊でアルジェリアに来て、ユダヤ系のお母さんと知り合って結婚したという家族。ユダヤ教徒の家族と言っても、子供たちはカトリックの学校へ行ったり、おばあちゃんはアラブ語しか話さなかったり、お父さんは宗教儀式が嫌いだったりとラフな感じ。そのごちゃ混ぜな感じこそかアルジェリア本来の姿だったのかもしれませんが、フランス人が引き揚げた後には、怨恨だけが残っているというか…。
冒頭で、アルジェはフランスで一番美しい街だよ、というセリフがあるけれど、フランスで、を除いても、だった、と言った方が正しいんじゃないかな。戦争で破壊された部分も多いし、その後貧困で新しく作り直すこともできずそのままになっていたりもするし。

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Le Consentement

映画
11 /24 2023
ヴァネッサ・スプリンゴラの暴露本「同意」の映画化。

le-consentement.jpg 「LE CONSENTEMENT」
Sortie le : 11 octobre 2023
De : Vanessa Filho
Avec :Jean-Paul Rouve, Kim Higelin, Laetitia Casta...
あらすじ 1985年のパリ。文学少女のヴァネッサが著名な中年の作家ガブリエル・マツネフと出会ったのは13歳の時だった。彼の知性と教養に惹かれ、ヴァネッサはマツネフのいいなりに関係を持ってしまう。二人は愛情で結ばれていると思っていたヴァネッサだが、次第に彼の本性に気が付いていく…。

マツネフは80年代に一部のメディア、政治家、文芸界でちやほやされた作家だったらしいのだが、小児性愛を隠さないスキャンダラスさが話題になったかもしれないが、彼の作品は全く売れず、一般大衆に知られた存在とは言い難い。一方のヴァネッサのこの本はベストセラーですよ。時代の波に乗ったと言えるかもしれないけど。
映画の方は、50男がどうやって少女を手玉に取っていくかが緻密に描かれ、ヴァネッサが一気にのめり込み、次第に疑問を覚え始める前半は緊張感のある展開なんですが、後半に入るとちょっとペースダウンと言うか、尻すぼみな印象。しかし、俳優はすごい。禿げ頭にしてマツネフになりきっているジャン=ポール・ルーヴのいやらしさときたら!彼がやってると知っていても目を疑うほどの変貌ぶり。レティシア・カスタのちょっと崩れた感じの母もいいんだけど、ヴァネッサ役のキム・イジュラン、どうなんだろう…。実際のヴァネッサの写真を見ると、似たような雰囲気なのでいいんですが、劇中やたらかわいいきれいだと言われるので、いや、キムどっちかと言うとファニーフェイスだよ?と思ってしまう(笑)。彼女の中学校の友達の方がよっぽどかわいい(-_-;)
彼女はミュージシャン一家のジャック・イジュランの孫、アルチュール・Hやイジィアの姪。14-5歳の役だけど、実はもう二十歳過ぎ。ガリガリで童顔なのであんまり無理はないけど。
しかし、こんなおっさんが堂々とメディアにちやほやされてたなんて、ヘンな時代だったんですね~。彼の文章がそれほど素晴らしかったのかもしれないけども。今は出版社から締め出しを食らってるらしいが、サド侯爵みたいに後年評価されるのかもしれないけどね…。

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